とと姉ちゃん|花山伊佐次が断筆した理由は?やはり戦争の影響?

 

朝ドラ『とと姉ちゃん』では、常子が甲東出版を辞めて自らの雑誌

「スタアの装ひ」を出版します。

 

創刊号は当時珍しかったファッション誌ということで売れますが、

後が続かず花山伊佐次に助言を求めます。

 

花山は常子に的確なアドバイスをして、感激した常子は雑誌の編集長に

迎えようとしますが、何と花山は既に断筆宣言をしていました。

 

そのため花山を編集長に迎えるという常子のプランはとん挫してしまいますが、

なぜ花山は突然の断筆宣言をしたのでしょうか?

 

やはり戦争の影響かと思われますが、モデルの花森安治はどうだったのでしょうか?

 

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花山伊佐次が断筆した理由は? やはり戦争の影響?

 

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花山伊佐次が断筆を宣言し、ペンを握らない理由はやはり

満州での戦争体験でした。

 

本人はその理由を語らないものの、経営している喫茶店で働いている元戦友の

関元(寺田農)の口から常子はそれを聞くことになります。

 

実は花山は出征して満州に配属されていましたが、

結核を患って戦友を残してひとりだけ帰国。

 

その後のソ連の満州侵攻やシベリア拘留などで多くの戦友を失っていますから、

ひとり無事に帰国したことへの慚悔の想いが断筆へとつながっているようです。

 

また帰国後は内務省の宣伝部に所属して、戦意高揚の標語やスローガンに

関わっていたことも、いっそうその想いを強めているのかもしれません。

 

五反田からの挿絵の依頼も断りましたし、花山の決意は固いようですから、

今後は常子がいかにこれを解きほぐしていくのがポイントになりそうですね。

 

これらのエピソードは、モデルとなっている花森安治の戦争体験

基づいています。

 

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花森も同様に満州に配属されて、そこで壮絶な光景を目の当たりにしました。

 

花森が配属されたのは満州国の北西部の国境付近で、

ソ連の抗日軍の侵攻に備える役目でした。

 

極寒地だったのでその寒さも身に染みましたが、何よりも衝撃を受けたのは

上官の言葉です。

 

上官であった軍曹は花森ら新兵に向かって、おまえたちの価値は馬以下で、

1銭5厘の価値しかないと言い放ったのでした。

 

1銭5厘とは当時の葉書の料金で、要は葉書1枚でいくらでも兵士の補充は

きくとのたとえです。

 

自分たちは消耗品であることを思い知らされた花森のショックは非常に大きなもので、

その後の人生に大きな影響を与えたようです。

 

昭和47年(1972年)に花森が発表したエッセイ「見よぼくらの1銭5厘の旗」

にはその詳細が記されており、同作は読売文学賞を受賞するほど高い評価を受けました。

 

一線五輪

(花森安治著 「見よぼくらの1銭5厘の旗」)

 

※タイトルの「銭」は金へんがないもの

 

その後花森は肺炎によって帰国することになり、その後のソ連侵攻による

大虐殺は免れますが、ドラマではこのあたりを下敷きにしたようです。

 

ただし、リアルの花森は断筆宣言などはしていません

 

帰国後は大政翼賛会の外郭団体に勤務しますが、終戦直前に解散となってしまいます。

 

ドラマのように喫茶店を経営してはいませんでしたし、

当時は妻や子どももいましたから、断筆宣言などはできないでしょうし、

むしろ職探しに苦労をしたと思われます。

 

ようやく旧制高校時代からの盟友だった田所太郎のツテで日本読書新聞の

編集部に出入りすることになりますが、そこで後のパートナーとなる

大橋鎭子と運命的な出会いがあったのです。

 

史実とは多少の違いがあるものの、ドラマの花山伊佐次と常子は

後に強力なタッグを組んで出版界に大きな変革を起こすことになります。

 

色々と遠回りもしそうですが、このふたりの関係には注目ですね♪

 

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